アシュラムの儀式とインドの神様たち

アシュラムの儀式とインドの神様たち

北インド、リシケシにあるシヴァナンダアシュラム(Divine life society)では早朝から、神様へのお祈りのプージャとヤジナ(護摩の供養儀式)が行われています。プージャの根本的な目的は世界中の全ての魂の平安、つまり世界平和を祈っているのです。

護摩供養(ヤジナ)とは

ヤジナと呼ばれる護摩供養は非常に重要な儀式であり、私たちは「無私」という供物を捧げることによって感覚器官の働きを浄化し、内側にもつ欲望をコントロールすることができます。自我意識を取り除くことで、自分自身が絶対神ブラフマー(宇宙意識)の一部であること、永遠の魂の存在であることへの気づきを得られます。

ヤジナ(護摩供養)は、私たちの献身を捧げる行いであり、神様が与えてくれた全てのものに対する感謝の儀式です。私たち日本人は神社などに参拝し、神様に色々なお願い事をしますが、多くの場合「これをください、あれをこうしてください」とお願いするばかりで、その望みが叶った途端、有頂天になりお礼をすることを忘れてしまいます。

しかし果報を授けられそれを楽しんでいるにも拘らず神様へのお返しを忘れている者は、金持ちからお金を盗んだり借りたりしながら返すことを忘れているだけでなく、貸してくれた人に感謝しない盗人と同じなのである。この様な者は次にお金が必要となっても今度は借りることはできない。

これは決して、神様が人の形をして(ガンダルフ的/長い白髪と髭のローブを着た)、私たちから感謝されたがっているという話ではありません。お礼というのは比喩であり、もっというと神様という言葉自体比喩と言えるでしょう。ヴェーダ聖典でいう神様は絶対神ブラフマーであり、ブラフマーはどこにでも偏在する宇宙意識そのものです。

真我に目覚めることが最高の供物

そのブラフマー神に対する何よりの「お礼」は、私たち一人一人が真我に気づくこと(悟りを得ること)ですが、その段階に到達できない場合であっても、自分がこの肉体であり、ひとつの孤立した存在であるという自我意識を取り除くことです。無私の行いの大切さに気づかず、願いを叶えてもらったにも関わらず、感覚器官を喜ばせるだけの生き方をすることが「礼を欠いた」行いといえます。

インドも日本も多神教

お釈迦さまによって日本に広まった仏教のルーツはインドであることもあり、日本人にとって多神教は馴染みのあるコンセプトです。日本では「八百万(やおよろず)の神」といいますが、これは“800万の神様がいる”という意味ではなく“非常に沢山の神様がいる”ということを表した言葉です。

インドの神様

ご存知のようにインドにも非常に多くの神様がいます。富を象徴するラクシュミー神、学問や芸術のサラスヴァティ神、長寿の神、ヤマ神。雨を乞う時はパルジャンヤ神に祈りを捧げます。これは日本の場合も同じですが、こういった様々なキャラクターを持った全ての神様は、それぞれ異なった存在というわけではなく本当は無限にして唯一の存在である絶対神ブラフマーにつけられている種々の名前に過ぎません。

仏教やヒンドゥー教においては、祈りを捧げる際に神様の姿形を偶像化しました。おそらくその方が感情移入できると考えたのだろうと思います。私の家には先生から頂いた美しいガネーシャ神がおり、毎日プージャをし、フルーツや季節の花をお供えし、定期的に全身を水で流しお清めをしているのですが、ガネーシャ神の顔立ちや丸いお腹に愛情を感じます。

実際に、象の顔をもった丸いお腹の神様が存在しているかどうかというのは大きな問題ではなく、それぞれの神様の容姿やキャラクターは、ブラフマー神(宇宙意識)の一部であり、その一面を象徴する存在ではないかと思います。

インドの有名な神様たち

シヴァ神

この世界の原理を意味しているとされるシヴァ神は万物を生み出し、そして全てを破壊する存在です。神話に語られるシヴァ神の性格はとてもユニークです。若い頃はヴァラナシの火葬場に住み、悪鬼たちを引き連れて暴れまわったそう。怒りっぽくわがままで天邪鬼。怒らせると敵を徹底的に殺戮しその死体の上で勝利のダンスを踊るという、あまり神様らしからぬ神様として表現されています。インドではこの破天荒なシヴァ神の信仰者(ファン)は非常に多く、最も愛されるヒンドゥーの神の1人です。インド男性はシヴァ神に由来する名前を持つ人がとても多い印象です(ルドラ、インドラetc)

シヴァ神の数多くある別名の一つが「マハーカーラ」であり、マハー(偉大な)カーラ(暗黒)は「偉大なる黒」を意味します。日本では大黒天として知られています。

パールヴァティ女神

シヴァ神の奥様であるパールヴァティはヒマラヤ山の娘であり、シヴァ神の最初の妻サティー女神の生まれ変わりとされています。シヴァ神の力の源(シャクティーエネルギー)であり、よく描かれるイメージとして、シヴァ神と共にシヴァリンガンに祈りとパワーを注いでいるものがあります。
彼女にはシヴァ神同様いくつもの姿と名前があります。

・ウマー(優しい女神)
・バイラヴィ(恐怖の女神)
・ガウリ(輝く女神)
・カーリー(黒女神)
・ドゥルガー(寄せ付けぬ女神)

インドにはたくさんの女神がいますが、多くの女神はシヴァ神の妻であるパールヴァティー女神の化身という設定です。そしてどの女神様もシヴァ様を上回る強烈なパワーを持っているとされています。パールヴァティー女神を筆頭とする、シヴァ神の妻とされる女神様たち、カーリー女神、ドゥルガー女神はインドでも非常に人気があり、ヒンドゥー教において女神は女性の象徴です。カーリー女神のような怖い姿をしていても、病気や障害から家族を守ってくれる強い味方とされているのです。

クリシュナ神

ヴィシュヌ神の化身(アヴァタラ)の1人。非常にハンサムでもてもての神様です。インドでも絶大な人気を誇る神様でシヴァ神同様、インド人男性の中にはクリシュナ神に由来する名前を持つ人が沢山います(ゴーヴィンダ、ウペンドラetc)。

孔雀の羽のついた冠を被り、笛を持ち、額にヴィシュヌをあらわすUの字が刻まれているのがクリシュナ神の特徴です。
「バガヴァッド・ギーター」において主人公アルジュナの指南役としても大活躍していますね。バガヴァッド・ギーターは大叙事詩マハーバーラタのなかに収められた、ヨーガの学びにおいてとても重要な部分です。

 

 

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