アーユルヴェーダの知恵で自分自身の担当医に

アーユルヴェーダの知恵で自分自身の担当医に

日本では「アーユルヴェーダ」の表面的な部分だけを取り上げ、美容や健康法のようなものと混同している場合がありますが、本来アーユルヴェーダは約5000年前から伝えられているインド発祥の伝統的医療です。

アーユルヴェーダという言葉の意味は

アーユス(生命/寿命) ヴェーダ(真理/科学) という2つの単語から構成されており、つまり「生命の真理」を意味しています。古くから伝えられている理論をベースに自分の肉体の性質を理解し、ドーシャ(エネルギー)のバランスを整える方法を教えるのがアーユルヴェーダです。

アーユルヴェーダの歴史はとても古く、神話にも登場しています。そもそもは絶対神ブラフマーから知恵を授かったインドラ神に、仙人アートレーヤが教えを授かったものとされ、紀元前1200年頃のアタルヴァ・ヴェーダ(経典)にはアーユルヴェーダの源となる医療知識が記されています。

アーユルヴェーダの幸福の定義

幸福とは「なるものではなく(幸福であることに)気づく」ものである

というのがアーユルヴェーダの考え方です。

私たちは体調が悪くなると病院に行きますが、大抵の場合、症状に合わせた薬を処方されるだけです。西洋医学の薬には症状を抑える効果はあるので便利ですが、その症状を引き起こしている原因を治すことはできませんし、薬による副作用も心配です。たしかに緊急の場合などには大きな効果を発揮しますが西洋医学は「健康とはなにか」という定義が曖昧です。

長生きすることと生活の質は別

発達した”治療法”のおかげで人々の寿命は伸びたかもしれませんが、寝たきりだったり、介護がなければ1人では歩けないような患者は増加しています。そのような状態で長生きすることが幸せかどうかは、人それぞれの価値観によりますが、生活の質(QOL)は高いとは言えないでしょう。

病気への向き合い方は人それぞれですが、体の変化や兆候に気づき、症状が深刻になって「病気」になる前にケアをしていくことができれば体への負担も少なく済みますし、個人的には自分が死ぬ日まで、自分の足で歩き、自分のことは自分でできるのが理想です。

生命に起こる変化は、細胞や遺伝子といった物理的な観点だけで説明できるものではありません。病気を患った部分だけを切り取って治そうとするのではなく、生命そのものを包括的に捉えなければ解決できない問題がたくさんあるのです。「新版インドの生命科学 アーユルヴェーダ」より引用

どの国にも、古くから伝わる民間療法があります。その多くは理論的にも科学的にも根拠が乏しいものですが、生命の科学として独自に体系化され長年にわたって継承されてきたアーユルヴェーダは、病院で行われる医療と家庭での療養法の両方の側面をもっています。

インドにもオキシデンタル(西洋)の薬局ももちろんありますが、アーユルヴェーダの生薬やサプリメントを扱う専門の薬局も多く、アーユルヴェーダ自体がとても身近な存在です。風邪を引いた時、大抵のインド人はアーユルヴェーダの生薬を選択します。私もインドに滞在している間に体調不良を感じると、生薬や目薬や塗り薬でもあるボディオイルなどでケアします。

自分の体への気づき

インターネットやTVは健康に関する情報で溢れています。一つの食事法や食材、サプリメントが健康に良いという一大キャンペーンが展開され、ブームが巻き起こると今度はそれらの健康被害についての情報が追いかけてくる・・。このような馬鹿馬鹿しいことが日々繰り広げられています。

このようなたくさんの情報に圧倒され一体何を信じて良いのか、と思いますが、何よりも信頼すべきなのは自分自身の感覚と心の声です。ゆっくりと座り目を閉じ、自分の心と体の状態を観察していきます。

体はだるく重い? それとも軽さがある?

お腹はすっきりとしている? それとも何かが溜まっているように重い?

肌はひんやりとして水分がある? それとも乾燥して熱をもっている?

心は静かで落ち着いている?あるいは不安を感じたりイライラしている?

呼吸や脈の速度はどうですか?

体がだるく感じるのは疲れすぎか、運動不足かもしれません。お腹が重く感じるのなら食べる量が多かったり、消化に時間とエネルギーのかかるものを食べたのかもしれません。肌が乾燥し熱があるのは、太陽に当たりすぎたり水分補給が足りていないのかもしれません。

心配事があったり、仕事や家庭でのなにかにプレッシャーを感じていると、不安やイライラした気持ちになってしまうかもしれません。不安や怒りやフラストレーションを抱えていると自然と呼吸は浅く早くなってしまいます。

私たちの今現在の体の状態というのは、その状態となった原因が必ず存在します。もし体調不良やストレスを作り出している原因があるのなら、習慣や環境を見直していくことで深刻な症状になる前に防げます。

自分が自分の担当医になる

お医者さんや、薬に任せきりにして、自分の体を観察することをおろそかにしてしまったり、自分の不調にも気づけないのは、私たちがあまりにも忙しく過ごしているからかもしれません。忙しく、自分の体や心の健康に無意識のまま過ごしていると、若くて代謝のいい頃はかろうじて保てていたバランスがなにか小さなことがきっかけで崩れ、深刻な状態に陥るでしょう。体と心は強く影響し合っているので、身体的な不調は心のコンディションにも大きな影響を与えます。

体と心が悪循環のパターンに入っていかないよう、自分自身の心身の健康に意識的になる必要があります。

これから「アーユルヴェーダ」カテゴリーでは実践的なセルフケアや素晴らしいアーユルヴェーダの知恵をご紹介していきます

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