バガヴァッド・ギーター4章へ/ 良い先生と良いシャラで練習する

バガヴァッド・ギーター4章へ

ここからバガヴァッド・ギーターは第4章に入っていきます。「智慧によるカルマからの解放」がこの章のテーマとなっています。

第3章のはじまりで、クリシュナ神は「ヨーガは宇宙創造のはじめに伝えられた」と仰っていました。今回紹介する4章1節では、クリシュナ神がこの「不滅のヨーガ」を誰に教え、どのようにして教えが伝えられたかを詳細に話しています。

バガヴァッド・ギーター4章1節
The Blessed Lord said:
I taught this imperishable Yoga to Vivasvan; he told it to Manu; Manu proclaimed it to Ikshvaku.

聖なるクリシュナ神が(アルジュナに)告げられました。我はこの不滅のヨーガを太陽神ヴィヴァスヴァトに伝授し、ヴィヴァスヴァトは人類の祖マヌに告げ、マヌは息子のイクシヴァーク王に伝えたのだ。

クリシュナ神は、最初に太陽神にヨーガを教え、太陽神が私たち人類の祖であるマヌに伝えたことから、今に至るまでヨーガの教えは伝承されている、ということです。

この詩節ではヨーガが不滅であり、宇宙の真理についての唯一絶対の教えであり、宇宙の始まりから伝えられる秘宝であることを伝えています。

古のインドの王と王国

このようにヨーガの叡智は賢者や聖者によって、何世紀にもわたり伝承されてきました。かつての日本もそうでしたが、インドも今のような一つの国家に統一される前は、多くの王国がありました。王国を収める聖なる王たちは、宇宙の智慧に愛と敬意を持ち、その智慧の象徴である聖者たちを保護していました。

そして多くの有名な王たちは、王であると同時に偉大な聖者でありヨーガ行者であったそうです。インド叙事詩「ラーマーヤナ」に登場するジャナカ王や、マガタ国のアジャタシャトル王などは非常に優れたヨーギーであったとされています。

私は常々、国家のトップに立ち、人を指揮する立場の人こそヨーガを学び、カルマとは、ダルマとはなにかについて知るべきだと思っているのですが、この時代のインドの王国ではまさにそのような人たちが国を導いていたんですね。

この当時、宇宙の真理を探究する聖者やヨーガ行者は、王たちから必要なものを敬意をもって与えられていたので、生活の心配をする必要がなかったそうです。聖者や賢者、ヨーギーたちは、思うままに智慧と真理を探究し、その教えを王や一般の人たちに伝えました。なんて素晴らしいのだろう、と感動します。

王たちは国と国民を守り、人々の心には正義と正法(ダルマ)がしっかりと根付き、すべての国々は繁栄し裕福でした。

しかし宇宙がカリ・ユガに入り、支配者は感覚器官をたのしませることに夢中な利己的な程度の低い存在になり下がります。

人々はヨーガに興味を失い、聖者の許には資質の劣った弟子しか集まらなくなった。聖者も俗世から関心を持たれることがなくなり、尊敬もされず修行の伝統もまた消滅した。真の智慧の代わりに感覚器官の働きを満足させる世俗の知識が氾濫してきた。宇宙創造のはじめに神様によって教えられた不滅のヨーガは、時の移り変わりと共に完全に消滅したのである。

ハタ・ヨーガから内側(心)のヨーガの練習

さて、時代が流れ、現代ではヨーガの学びを生活に取り入れ練習する人が増えてきています。しかし、多くの人は身体的な練習(ハタ・ヨーガ)がヨーガのすべてかのように取り組みますが、聖典を学びその叡智を深く理解するための内的な練習にはそれほど熱意を向けません。

人生の目的はみな違いますから、その人が必要なヨーガの練習をすればいいでしょう。しかしハタ・ヨーガの練習によって身体的な浄化がある程度進んだら、ヨーガの聖典を学び実践することで心が整いヨーガが深まります。真理とは何かを学ぶことによって、怒りや恐怖、執着などの苦しみの本質を知ることができます。そういった苦しみの根本を取り除くことによって、より生きやすく充実した日々を過ごせるようになるのではないかと思います。

「カルマ・ヨーガとはなにか?」「アシュタンガ八支則とは?」このような基本的な知識を先生や聖典から学ぶことはとても大切です。しかし知識を知識として持っているだけでは、それはいつまでも「素材」のままでそれ以上発展していくことはありません。

大切なのは実践することです。善い行い(正法/ダルマ)とは何かを学んだら、実際に行ってみます。そしてそこに結果に対する執着を感じたら、しっかりとそれを味わいます。例えば「〜してあげたのに感謝されない」という結果に対する執着(不快な感情)を客観的にみつめ、なぜそう思うのか、その感情はどのように起きるのか聖典うぃ参考に理解していきます。

一度意識を向け自分で自分の感情を味わったら(それがいい感情でも悪い感情でも)、今度は手放していきます。しっかり味わった感情は手放すのは簡単なので、まず「私はこんなに悔しい」「こんなに腹が立っている」「ああ!イライラする!」と感情をしっかり経験します。その後「でも、もうこの感情はいりません」と手放し、自分の感情を解放します。

良い先生と良いシャラで練習する

ハタ・ヨーガ、つまり身体的なヨーガの練習やプラーナヤーマの練習が、ある程度進んでいれば、不必要な感情を手放すことは比較的簡単ですが、体が整っていなければ内側(心)を整えていくことは困難です。そういう意味でハタ・ヨーガを深めていくことは非常に重要ですが、ポーズの良し悪しに心を囚われると、それはそれでマインドを忙しくさせてしまうのでバランスが重要です。

良い先生やスタジオで練習することが大切なのはこういった理由からです。良い先生とは、生徒のこういったバランスをしっかりと見ていて、必要とする練習と、練習へのインスピレーションを与えてくれます。

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