実践的なヨガの練習方法②ニヤマ編

実践的なヨガの練習方法②ニヤマ編

前回はアシュタンガ八支則のヤマ(禁戒/さけるべきこと)について学んでいきました。
今回はその次の項目、ニヤマ(内側の練習としてすべきこと)について勉強していこうと思います。このヤマ、ニヤマは私たちヨギ(ヨガを学ぶもの)にとって日常生活における練習方法、つまりマットの上以外での非常に大切で欠かすことのできない実践方法です。

オンライン寺子屋ヨガ

目次 1 実践的なヨガの練習方法①ヤマ編2 アシュタンガ八支則3 ヤマ4 アヒンサー5 マハートマ・ガンディー師6 サッ…

ヤマ編はこちら

ニヤマ

ヨガの学びに大切な内側の練習、つまり私たちが日頃から心がけるべきことが5つ紹介されています。ヤマの5項目、ニヤマの5項目と合わせて10の教えがあります。キリスト教やユダヤ教、仏教を勉強されたことがある方は「十戒」を思いだすかもしれません。シュリー・スワミ・サッチダーナンダ先生は「こうした道徳的・倫理的規範なくして宗教はない。霊的生活はすべて、これらのものを礎とするべきである」とおっしゃっています。では「霊的(スピリチュアルな)な生き方に欠かせない礎」の残り半分を一緒に勉強していきましょう。

ヨーガスートラ2章32節
「SAUCHA/SAMTOSHA/TAPAH/SVADHYAYESVARAPRANIDHANANI/NIYAMAH シャウチャ・サントーシャ・タパスソヴァディヤー・イーシュヴァラ・プラニダーナーニー・ニヤマーハ」

 

1, シャウチャ/清浄、清潔に保つ
2, サントーシャ/知足、満足すること
3, タパハ/規律正しさ
4, ソヴァーッディヤーヤ/自己を学ぶ、霊的書物の研究
5, イーシュヴァラ・プラニダーナ/自然の摂理を学ぶ

さて、ニヤマの項目もそれぞれヨーガスートラの中で掘り下げて紹介されています。ではまずはサウチャから。

 

シャウチャ

ヨーガスートラ240

「SAUCHAT/SVANGA/JUGUPSA/PARAIR/ASAMSARGAH シャウチャーットソヴァーンガ・ジュグプサー・パライラサンサルガハ」

「体の清潔さを達成すると、自分と、他人の体や考えに対する執着から自由になります」ーヨーガスートラ/向井田みお先生著より

ニヤマの筆頭であるシャウチャは、自分自身の体を清潔に保ち、心に溜まりがちなストレスや余計な感情をケアし状態を整えること。そして家や仕事場などの空間を整え清潔に保つことです。普段暮らしている環境は心と密接にリンクしています。

 サントーシャ

ヨーガスートラ2章42節
「SAMTOSHAD/ANUTTAMAH/SUKHA/LABHAH サントーシャッート・アヌッタマスカラーバハ」

「与えらえた状況に満足すると、比べることができない幸せを得ます」ーヨーガスートラ/向井田みお先生著より
「知足によって無上の喜びが得られる」ーインテグラル・ヨーガ・シュリー・スワミ・サッチダーナンダ先生著より

 

体や心の特徴や環境など、自分自身に与えられたすべてのものを誰かと比較し、落ち込んだり不足を感じたり誰かに怒りや悲しみをぶつけることは何の問題の解決にもならないでしょう。与えられた状況や物事を受け入れ、そこから学びとる態度がサントーシャです。

サントーシャの練習が深まるということは、これまで外の世界に対し自我を満足させたり歓びや興奮などをやみくもに求めていた心が鎮まり、自分自身のあるがままで穏やかに満たされる、と解釈をしているのですが「自分の全てに満足する」これはかなり生きやすく幸せな境地ではないでしょうか。

常に体調が万全で、問題の起きない人生というのはあり得ませんよね?ちょっとしたことで風邪をひいたり、怪我をすることだってあります。そして体調の悪さや体の痛みは私たちを憂鬱にしてしまいます。自分や身の回りの人、世界に起きているすべてのことは必要があって起きているのであって、私たちは起きている現象を体験し学ぶことによって成長するのだと思います。

「難しいこと、困難な課題こそ、今より大きく成長するための学びが詰まっていることは確かだ、ということを私たちは十分に知っています。様々な経験によって、辛さや悲しみを知るから、他人の悲しみを理解する慈悲が身につくように、問題こそが自分を成熟させるチャンスです」と「ヨーガスートラ」の中で向井田みお先生は解説されています。

大失恋を経験することで、その辛さや乗り越えるまでに必要なプロセスを知ります。ビジネスに失敗したことのある人は、その時の絶望や孤独、そしてどのようにそこから立ち上がるかを経験として知っているでしょう。そういった全ての経験は「私はこの体で頑張ってきた」「私はこの心と共に様々なことを乗り越えてきたんだ」と自分の体や心を人生を共に過ごしてきた大切なものとして感謝し、それこそが成長なのだと思います。そして経験したことがあるからこそ、今同じ境遇にある人に対して心から「頑張れ」と祈ることができるのだと思います。

 

 タパス

ヨーガスートラ2章43節
「KAYENDRIYA/SIDDHIR/ASUDDHI/KSHAYAT/TAPASAH カーヤ・インドリヤ・アシュッディ・クシャヤーッタパサハ」

「タパス(自己規律)に生きると、過去のパーパ(不徳)を消化し、体と感覚を意のままに使うマスターになることができます」ーヨーガスートラ/向井田みお先生著より

 

有名なヨギや聖者の自伝などでよく目にする瞬間移動や物質化や空中浮遊といったシッディー(奇跡を行う超能力)はタパスによって可能になる、そうですが、シュリー・スワミ・サッチダーナンダ先生はインテグラル・ヨーガで、この詩を
「苦行によって身体と感覚の不浄が消え、超自然力が得られる」と説明されています。空中に浮いたり瞬間移動ができるかどうかはさておき、自己をしっかりと律することによって、これまでの良くない思考や行いを浄化することが可能になるということですね。

ヨーガスートラ2章1節でもあったようにタパスの直接的な意味は「焼くこと/燃やすこと」です。例えば、毎日昼過ぎまで寝ていて、ベッドから出たあとも意味のないことをして時間を過ごしていると、最初は楽しいかもしれませんが次第に苦しみに変わるでしょう。生活の乱れや怠惰なマインドから抜け出すために、タパス(自己規律)を呼び起こします。

タパス(自己規律)に生きることは、時に苦しさを経験しますが、それは規律のない好き放題の生活によって自分に失望する苦しみとは全く違うでしょう。なぜならタパスによって経験する苦しみや痛みは自己に向き合い、与えられた課題を乗り越え成長していくためのものだからです。

ソヴァーディヤーヤ

ヨーガスートラ2章44節
「SVADHYAYAD/ISHTADEVATA/SAMPRAYOGAH ソヴァーッディヤーット・イシュタ・デーヴァター・サンプラヨーガハ」

「自分の真実を学び、深く理解することによって、心をゆだねる存在との繋がりが確立されます」ーヨーガスートラ/向井田みお先生著より

こちらもクリヤーヨーガについて説明されている2章1節も紹介されていますが、ソヴァーディヤーヤつまり自分自身について学ぶことです。シュリー・スワミジは霊的な研究と解説されていますが、自己の真実(アートマー)について学ぶことは霊性を学ぶことでもありますので理解しやすいと思います。

「自分とは一体何者でどこからやってきたのか?」という自己の本質や、世界の真実とは何なのか?という研究をし、知恵を学ぶことがソヴァディヤーヤの目的だとスートラは説明しています。

 

イーシュヴァラ・プラニダーナー

ヨーガスートラ2章45節
「SAMADHI/SIDDHIR/ISHVARAPRANIDHANAT サマーディ・シッディリヒ・イーシュヴァラ・プラニダーナット」

「イーシュヴァラ・プラニダーナ(自然の摂理を理解すること)によって、深い瞑想状態に至ります」ーヨーガスートラ/向井田みお先生著より
「神にすべてを任せることによって、サマーディは達成される」ーインテグラル・ヨーガ/シュリー・スワミ・サッチダーナンダ先生著より

 

向井田みお先生はサンスクリット語であるイーシュヴァラを「世界を動かす大きな力、大いなる存在、自然の摂理」「全体世界、自然界を維持する力」と説明されています。私たちが「神様」と聞いてイメージするのはこれらの存在ではないでしょうか

シュリー・スワミジはイーシュヴァラを「神/主」と説明し、すべてを主、あるいは人類に献げる生活態度をイーシュヴァラ・プラニダーナといい、なぜ人類と付け加えたかというシュリー・スワミジの解説をものすごくざっくり説明すると「神は世界を御自身からつくり、世界そのものが神で私たち一人一人が神の一部である」ということ。

自分よりもはるかに大きい存在であるイーシュヴァラという存在(神?)の大きな力を信頼し、自分のエゴも含めて全てを明け渡して捧げる・・。
クリヤーヨガの記事でもお伝えしましたが、イーシュヴァラ・プラニダーナに関しては微妙に理解できていないんですが、あるサーファーのお友達が「波がない時はただサーフボードに跨って波を待つんだけれど、ただそうして海に浸かっているだけで海の鼓動を感じて、自分が自然の一部だと思える」と言っていて、その時なんとなく「これもイーシュヴァラ・プラニダーナなのかな?」と思いました。

それが正しいかどうかはわかりませんが「大きな自然とのつながりを築くためにできることが、イーシュヴァラ・プラニダーナ(自然の摂理を理解すること)」という向井田みお先生の解説を読んで、海や山の中や、信じられないほど絶景の圧倒的な自然を目の当たりにして感じる「畏怖」がイーシュヴァラ・プラニダーナーを理解するカギになるかもしれないと期待しています。

相変わらずイーシュヴァラ・プラニダーナーをうまくまとめることができていませんが、これは今後の課題にしたいと思います。

以上がアシュタンガ八支則の「ニヤマ」についてでした。いかがでしたでしょうか?

オンライン寺子屋ヨガ

目次 1  生き方をヨガにする/クリヤーヨーガ2 タパス3 ソヴァディヤーヤ4 イーシュヴァラ・プラニダーナ  生き方を…

タパス、ソヴァディヤーヤ、イーシュヴァラ・プラニダーナー、このニヤマにおける後半3つの項目は「クリヤー・ヨーガ」としての練習でもあります。

最新情報をチェックしよう!