実践的なヨガの練習方法/アーサナ編 Ⅰ

「ヨガの練習」の一般的な認識が、アシュタンガ八支則の3番目に紹介されている「アーサナ」ではないでしょうか?今回はこのアーサナについて一緒に勉強していきたいと思います。

実践的なヨガの練習方法/アーサナ編 Ⅰ

 

アーサナ(坐法)は快適で安定していなければならない

 

ヨーガスートラ2章46節
「STHIRA SUKHAM ASANAM スティラ・スッカン・アーサナン」

「安定して、快適な姿勢がアーサナ(ヨガの坐法)です」ーヨーガスートラ/向井田みお先生著より

「アーサナ(坐法)は快適で安定していなければならない」これはシュリー・スワミ・サッチダーナンダ先生のインテグラル・ヨーガに書かれている訳ですが、ヨガの目的であるサマーディ(心を統一し完全に自由な状態)を目指し、心と向き合うために静かに座る姿勢を本来「アーサナ」と呼びます。

 快適な長時間座ることは意外に難しい

つまりアーサナとは本来、体のどの部分にも痛みやこわばりといった苦痛のない状態で快適に安定して坐法(座り姿勢)のことを指します。快適に座ると聞くととても簡単なように思いますが、同じ姿勢で長時間、しかも「快適に」座ることは意外と難しいことではないでしょうか。ゆったりとしたクッションがちりばめられたソファに腰をかけ、快適なポジションで本を読み始めたとします。そうすると次第に窮屈さやわずかな痛みなどを感じ腰を動かしたり足を組み替えたりするものです。

 

快適に座るためにハタ・ヨガ(身体的な練習法)はあみだされた

本来、瞑想に深く入っていくための安定した坐法のことを指すアーサナですが、やみくもに胡座をかいて床に座ったとしても10分もしないうちに「足が痺れる、膝が痛い、腰が痛い」ということになるでしょう。座骨を安定させ背骨を仙骨からまっすぐに伸ばし、体のどこにも緊張のない状態で座ることができるコンディション、つまり「瞑想的な身体」へトランジションさせるために私たちは様々なポーズを練習するのです。

アーサナ・シッディとは?

向井田みお先生は著書であるヨーガスートラの2章46節の解説の中で

「1つの座り方で、体を忘れるほど安定して快適に48分間動かず座り続けることができたらアーサナ・シッディ(アーサナを達成した人)と呼ばれます」

と解説しています。そしてこれは個人的な経験ですが、日常的なアーサナの練習を続け、体の使い方の癖からくる骨盤や背骨の歪みが修正され、全身の筋肉が適切な柔軟性を得ることができれば、1時間座ること自体はそれほど難しいことではありません。しかし「なんの痛みもなく快適に」あるいは「48分間座り、5分休憩して再び48分間快適に座る」となるとこれは容易なことではありません。

多少は足首がしびれますし瞑想の姿勢を解いてしばらくは立ち上がれなくないこともあります。こう考えるとアーサナ・シッディになるのは簡単なことではありませんね。

「何があっても「座る(瞑想する)」と“決意”して、心を自動的に自分の制御下においてしまうと心は結局それに従わざるを得ない。それは何かを手に入れるためにはそれ(心)は身体の協力を必要とするからだ。それが“アーサナ・シッディ”つまりアーサナ達成の効果である」ーインテグラル・ヨーガより

ハタヨガの練習と食べ物の関係

シュリー・スワミ・サッチダーナンダ先生はインテグラル・ヨーガのなかで「瞑想的な身体」にしていくプロセスの中で食事として体に取り入れるものの大切さにも触れています。

“彼らは、苦痛やこわばりや胆汁やガスなどに遭遇して考えた。ーなぜこういうものがあるのか、また、どうしたらそれらを取り除くことができるのか?彼らはそれが悪い食物を間違った時間に量を誤って食べるせいだと知った”ーインテグラル・ヨーガ/シュリー・スワミ・サッチダーナンダ先生著より

ヨガの練習をしていると「あぁ、今日は体が重い」「今朝が体が硬い」「お腹がすっきりしない」よいうように自分の体の状態に敏感になります。体内に未消化物のアーマ(毒)として残らない食物とは何か、どれくらいの量を食べるべきかといった具合に、体内に取り入れるものに対し意識的になっていく結果として、肉や魚、卵といった動物性のものは取らなくなったり保存料や添加物が過多にはいった加工食品を避けるようになります。私は10年以上ヴェジタリアンですが、実際食べるものに対して意識的になることでハタヨガ(身体的なヨガ)の練習の質は格段に変わりました。動物性のもの、加工食品を食べないことによってマインドにもかなり良い影響がでるのですが、これについてはまた別のところで詳しく紹介します。

ハタヨガにおけるインドの伝統的な流派

現在のヨガ業界におけるメインストリームは、ダイナミックな連続ポーズによって構成されたヴィンヤーサースタイルではないでしょうか?インドの伝統的なハタヨーガにおいて最も影響力のある流派の一つ※アシュタンガ・ヨガは、世界最高のヨガ指導者の一人である故シュリー・K・パッタ・ビジョイス師によって考案されたメソッドで世界中に練習者がいます。アシュタンガ・ヨーガの練習は、決められたポーズを順番に流れるように行なわれ、ポーズとポーズの間にはヴィンヤーサーという独自の動きが入り、全ての動きは中断されずに行います。

この伝統的なアシュタンガヨーガがベースになっている(そうではないのかもしれないけれど、少なくとも強くインスパイアードされた)、ヴィンヤサヨガ、フローヨガ、etc と呼ばれる比較的運動量が多くダイナミックなシーケンスのハタヨーガが、アメリカや日本のみならず、アジア諸国、ヨーロッパでも主流となっているように思います。

更に、世界的な大ベストセラーである「Light on Yoga(邦題:ハタヨガの真髄)」の著者であり世界最高のヨガ指導者の一人であるB.K.S.アイアンガー師によって創られたのがこちらもインドの伝統的なハタ・ヨガの流派「アイアンガーヨガ」。「Light on Yoga(邦題:ハタヨガの真髄)」はヨガを練習する者のバイブルとして、ヨガのスタイルを問わず練習や指導の参考書として用いられています。

このインドの偉大なるヨガ指導者である2人の師は、共に近代ヨガの父「シュリー・ティルマライ・クリシュナマチャリア師」に師事していました。現在存在する、ハタヨーガのメソッドのほとんどはシュリ・K・パタビジョイス師、B.K.S.アイアンガー師による多大な影響を受けているといえるでしょう。

※ここで説明する「アシュタンガ・ヨーガ」はパタンジャリ先生のアシュタンガヨーガ(アシュタンガ八支則)ではなく、ハタ・ヨーガの流派のことを指します。

 

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