心にとって最良の浄化具は智慧(知恵)であるということ

護摩供養(ヤジナ)によって欲望を焼き尽くす

バガヴァッド・ギーター4章は、宇宙の叡智を知ることによって行為(カルマ)からの解放を教えています。今回は

「智慧の護摩供養(ヤジナ)とは何か?智慧を得ることによって、すべての業(カルマ)や罪は浄化される?」

ということをテーマに勉強していこうと思います。

バガヴァッド・ギーター4章31節
Those who eat the remnants of the sacrifice, which are like nectar, go to the eternal Brahmin. This world is not for the man who does not perform sacrifice; how then can he have the other, O Arjuna?

護摩供養(ヤジナ)の聖なるお下がりとしての甘露(アムリタ)を戴く者たちは、永遠存在としての絶対者ブラーフマンに至る。それ故アルジュナよ、護摩供養(ヤジナ)を執行せぬ者にとっては、この世界の存在意義は失われるのだ。従って、今生の後の世界(神の世界)など語りようもないのだ。

さてインドで「ヤジナ」と呼ばれる護摩供養ですが、これはプージャなどの宗教儀式で行われるHavan(ファイヤープジャ)において捧げる「行い」を指します。

護摩供養とは宗教上の祭祀であり精神的なものですが、同時に真言を発声したり供物を火にくべるなど肉体を使った「行為」でもあります。

護摩供養(ヤジナ)は、供物を神様である火に投じ、火が供物を焼き尽くすのと同じように「私たちの感覚器官の働きや欲望を焼き尽くし浄化してください」と神様に祈る行為です。

もしもこうした護摩供養が自分の権力や地位を誇示する虚栄のために、あるいは、施しが神様への信仰と献身なしに行われるならば、それは護摩供養などではなくその人を束縛するものとなる。ーシュリー・スワミ・ヴィラジェシュワラ先生著「科学で解くバガヴァッド・ギーター」より

以前にも書きましたが、インドのアシュラム(僧院)や寺院では毎日プージャやヤジナが行われていますが、大切にされている儀式の背景にはこのような浄化への祈りが込められています。

 

無智による悪影響とは

バガヴァッド・ギーターでは全ての罪や罪人は「無智」が根源となっていると教えています。つまり真実を知らない愚かさが、罪を作り、罪を行うということです。そして反対に叡智を身につけることで、どのような罪人も浄化され罪を免れるとも教えています。

バガヴァッド・ギーター4章36節
Even if thou are the most sinful of all sinners, yet thou shalt verily cross all sins by the raft of knowledge.

たとえ汝が罪人たちの中でも極悪の者であったとしても、汝は聖なる智慧の筏(いかだ)によってすべての罪障を必ず克服できるであろう。

これほどまでに力を持つ智慧とは、真我を知るということです。真我を知ることは悟りであり、宇宙存在であるブラフマーの一部でありブラフマーそのものだということに気づくことです。そしてその境地に至るためにサーンキャ・ヨーガやカルマ・ヨーガという道があるのです。

この世界は、その外見のままが真実であると信じることが罪の根源であり、智慧はこの誤った理解を根本から覆し、その代わりに「これらはまさに、すべて絶対者ブラーフマンである」ということを教えてくれるのである。それ故に智慧は、この世において最も強力な浄化のための乗り物だと言えるのである。ーシュリー・スワミ・ヴィラジェシュワラ先生著「科学で解くバガヴァッド・ギーター」より

私たちは、幾つになっても魂を成長させるために「学び」を続けます。

それぞれの人生においてどれだけ多様な経験をしようとも、真理へと近づくための智慧を求め続けることの大切さを忘れるべきではないとこの1年を振り返り個人的に実感しています。

バガヴァッド・ギーター4章38節
Verily, there is no purifier in this world like knowledge. He who is perfected in Yoga finds it in the Self in time.

この世にあって智慧ほどに(行為を)浄化するものはない。ヨーガ修行を成就させた者は、やがては自己の内にこの事実を見い出すのである。

智慧はカルマや罪を燃やす炎

「智慧」は炎のように私たちの罪やカルマを燃やし灰にします。水は生きている私たちの体を浄化してくれますが、魂が肉体を離れ腐敗し分解を始めてしまうと、火のみがその肉体を燃やし浄化することができます。

火は肉体にとって最良にして唯一の浄化要素であり、智慧は心にとって最良の浄化具なのです。

智慧ほど速やかに悪人を浄化し得るものは、他にはない。それ故にすべての者は智慧を求めて修行しなければならない。ーシュリー・スワミ・ヴィラジェシュワラ先生著「科学で解くバガヴァッド・ギーター」より

悪人は智慧のなさ、つまり無智ゆえに感覚器官を楽しませることに夢中になり、目に見える物質的な世界や肉体を真実だと思い込みます。そして感覚器官を楽しませる享楽的な生き方を続けるために悪行に走るのですが、こういった心を浄化するために智慧は最大の道具となることをバガヴァッド・ギーター4章では繰り返し説いているのです。

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