消化の火「アグニ」と活力素「オージャス」

消化の火「アグニ」と活力素「オージャス」

アーユルヴェーダを理解する上で欠かせないのが「アグニ」そして「オージャス」です。アグニはインド神話において、ブラフマー神が創造した蓮華から誕生した火神です。インドや日本などの古い歴史をもつ国では、火は神聖な存在であり神様として捉えられています。日本神話には軻遇突智(カグツチ)という火の神様が登場します。

さて、アグニは「消化の火」や「代謝の火」と訳される消化液がもつエネルギーであり、体内の「消化」「代謝」「変換」という働きを担っています。

体組織を構成するダートゥ

アーユルヴェーダでは、13種類のアグニが存在すると考えられ、食事によって取り入れた食物を胃の中で消化、分解するジャータラ・アグニや肝臓で5元素に働きかけるブータ・アグニなどがその一部です。

アーユルヴェーダでは身体そのものを構成する7つの組織は「ダートゥ」と呼ばれます。ダートゥは身体のシステムや構造、機能を支え、生命活動において基本とされる存在です。そしてダートゥにもそれぞれのアグニが存在し、変換を担っています。

7つの組織は、血漿(けっしょう)→血液→筋肉→脂肪→骨→神経→生殖器の順に形成されるので、いずれかのプロセスに不調が生じるとその部分の生成が滞り、各組織に蓄積や萎縮が起こります。

心の経験にも作用するアグニ

食物を胃で消化するジャータラ・アグニが不調の時は、摂取したものを十分に消化できず、アーマ(未消化物)とよばれる有毒な残渣物が体内に蓄積していきます。

これはドーシャのアンバランスによってアグニが弱くなったり強くなりすぎることで、消化力に影響が出ることによって起こります。消化の火であるところのアグニは、過去の心理的な経験やトラウマなど、心の経験を消化し解消する働きを持っています。

心に生じた感情や考え、感覚器官から入ってくる情報など、外界から取り入れたものを完全に消化できたときに「オージャス」とよばれる活力素が作られますが、反対にそれらの情報や情報がアグニによって適切に消化されなければ「心のアーマ」が蓄積されていきます。

心のアーマとは

心のアーマとはつまり未消化の感情です。子供の頃のトラウマなど、いまだに忘れることや赦すことのできない経験や感情によって心をブロックし続けることによって、エネルギーの巡りが滞り鬱病やパニック発作や不安症などといった形で現れることになります。

心身を整える活力素「オージャス」

感情や感覚器官から入ってくる情報など、外界から取り入れたものを心が完全に消化できたときに「オージャス」とよばれる活力素(エネルギー)となります。オージャスはドーシャのバランスを維持させ、体内組織(ダートゥ)の変換を助け、免疫力を高める働きを持ちます。

つまりオージャスは心身の健康を維持するためにとても重要な存在なのです。そしてオージャスの力を高めるためには、食物はもちろん、心の体験をしっかりと消化できる生活が大切です。

オージャスを低下させる原因は?

オージャスが低下することでドーシャが乱れ、ドーシャの乱れは病気の引き金となっていきます。

オージャスを低下させる原因

1, タバコやアルコールの過剰摂取
2, 怒りや悲しみ、憎しみ、執着などの否定的感情
3, 過労
4, 過剰な性行為
5, 食生活の乱れ

アーユルヴェーダでは、牛肉、鶏肉、魚肉、卵、チーズ、加工食品、油分過多のもの、調理した後に長時間放置したもの(タマス)はオージャスの生成を妨げ、さらに食べ過ぎや、酸味、辛み、塩味がつよすぎるもの(ラジャス)の過剰摂取も消化を妨げるとされています(オージャスに悪い影響を与える)。

オージャスを増やす食物とは

アーユルヴェーダでは、体に取り入れるものが心に影響を与えると考えますが、これは私自身も経験として強く実感しています。ラジャスの性質を持つ、極端に辛味の強いものやレトルト食品や加工食品などタマスの性質が強い食べ物を摂ることの影響は、イライラして攻撃的になったり、怠くて何もかもが面倒くさいような気分として心に現れます。

甘いものや果物、牛乳、ゴマなどはサットヴァを増やす食物といわれています。しかし一般的な牛乳の質はアーユルヴェーダが生まれた古代インド時代と現代では異なっていますし、IGF-1やエストロゲンが癌の原因の一つと示唆されているので個人的には積極的に摂取しないようにしていますし、甘いもの(糖分)も気分の浮き沈みに影響を与える気がするので基本的に摂りません。

オージャスを増やす食べ方のポイント

では最後にオージャスを増やす食事のポイントをディーパック・チョプラさんの著書「パーフェクトヘルス」から紹介したいと思います。

オージャスを増やす食べ方

・落ち着いた空間で座って食べる
・食事中は会話をせずに集中する
・よく噛んで食べる
・できたての温かいものを食べる
・よく調理されており半煮えでないもの、適度に油分を含むものを食べる
・食べたものが消化されるまで次の食事をしない
・食事中にお湯をすする
・加熱した蜂蜜を摂らない(アーマのもとになる)
・食事とあわせて牛乳を摂らない(牛乳のみで飲む)
・毎食6種類の味をすべて摂る(甘味/酸味/塩味/辛味/苦味/渋味)
・満腹まで食べず2/3~3/4の腹具合にする
・食後はすぐに動かず、数分間は静かに座って過ごす

いかがだったでしょうか。
私は食事中に会話をしていたり、時々食べすぎてしまう点を注意したいと思いました。6種類の味をすべて摂るのもまったくできていません。塩味と辛味と酸味は摂れていますが、それ以外は全然足りていないように思います。渋味っていったい何から摂ることができるのでしょうか・・。

 

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